【小学5年生でここまでできる「福祉ボランティアを学ぼう」 全10時間】へ
第1時 アイマスクをして目が見えない人の疑似体験をしよう
第2時 介助の方法を学ぼう
第3時 アイマスクをして食事をしよう
※本実践は「思いやりの心をもち,たくましく実践する子どもの育成」(美方郡村岡町立村岡中学校)の実践を小学校5年生用に修正追試させていただきました。
第1時 アイマスクをして目が見えない人の疑似体験をしよう
ねらい
o体育館や廊下,階段,教室などで目が見えない人の疑似体験をする。
o目が不自由な人への理解と関心を引きだすようにする。
(1) 導入…障害そのものについてのおおよその理解
体育館でペアで座る。
「この前星野富弘さんの授業をしましたね。星野さんは首から下が動かなくて車いすに乗 っていますね。他にも,目が見えなかったり,耳が聞こえなかったりという人もいます。
このような方々を「体に障害のある人」といいます。」
発問1 体に障害のある人の割合は,日本全体でおよそ何人に1人でしょうか。
A 400人に1人
B 40人に1人
C 4人に1人
Bが1/2,ACにそれぞれ1/4ずつ挙手した。
「正解を言います。Bの40人に1人です。」
発問2 どうして体が不自由になってしまったのでしょうか。
考えられる理由を言ってごらんなさい。
・星野さんのように鉄棒から落ちてしまった。
・交通事故にあってしまった。
・高いところから落ちてしまった。
・転んでしまった。
・お母さんのお腹の中で病気になってしまった。
説明 みんな事故の原因をあげましたね。実はこれは2位なのです。1位は病気なのです。病気で目が見えなくなったり,体がいうことをきかなくなったりするのです。
これから先,もしかすると,先生も病気や事故で歩けなくなったり,目が見えなくなったりするかもしれません。障害は自分の気持ちとは関係なく,みんなにもみんなの家族にも起こる可能性があるのです。
(2) アイマスクをして目が見えない人の疑似体験をする…なりきり体験
説明 今日は,みんな目が見えない体験をして目の不自由な人の立場に立ってみます。
(アイマスクを提示して)これなんでしょう。(「アイマスク!」)
そうです。これをこんな風につけて歩きます。(間にペーパータオルを挟むことも説明する)
ここから向こうへ歩きます。もう一人は補助をします。
ただし,危ないとき以外は,手を出さないでください。声を出して誘導してもいけません。
目が見えませんから真っ直ぐ歩けないでしょう。隣のコースに入ったり,斜めに移動したりするでしょう。それでも構いません。仕方のないことです。「違うよ」なんて声を掛けてはいけません。
向こうに着いたら交代です。2人とも終わった人はワークシートに感想を書いていてください。
代表の子一人にに実際にやらせてみる。
アイマスクをしている子がコーンにぶつかったときのクラス集団の反応を見て次のように指導する。(アイマスク体験の授業。 ジュニアボランティア教育の「原点」「定番」「真骨頂」というべき授業だ。この授業をやると,多くの授業者はある一つの壁にぶつかる。それは,アイマスクをつけていざ体験となると「真剣さが足りない」「ふざけてしまう」という子供の表れが見られることである。私の場合も例外ではなかった。(無論,さらりといく人もいるがそれはかなりの力量の持ち主だ。)
この状態は好ましいことではない。
何とかするのが心ある教師だ。)
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アイマスク体験の授業で子供たちが「真剣さが足りない」「ふざけしまう」場合どうするか
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│ 跳び箱 木箱 踏切板 マット カラーコーン
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│ □ ─── ─── ───
▲ │ ペア@〜C │
│ □ ─── ─── ───
▲ │ ペアD〜G │
│ □ ─── ─── ───
▲ │ ペアH〜K │
│ □ ─── ─── ───
▲ │ ペアL〜O │
│ □ ─── ─── ───
▲ │ ペアP〜R │
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アイマスク体験は子どもたちに実に貴重な体験をもたらした。
私も腹の底からやってよかったと感じた1時間であった。